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2008年3月 9日 (日)

年代-vintage

アンブシュア。ハイノートを出したいと思う僕は、金管楽器奏者ならば誰でも悩むだろうアンブシュアの改革に臨んでいる。アンブシュア改革に悩むのはなぜか。たぶん、答えは共通している。音が出なくなるのが、怖いからだ。僕は11歳の時、初めてその恐怖を味わった。

吹奏楽をやったことがある人ならば誰しも、夏の吹奏楽コンクール目指して頑張ってことがあるはずだが、僕は小学校六年生の夏のコンクール直前にアンブシュア改革に乗り出した。ある日、トランペットを吹いている自分を真正面からみたとき、あまりにも右に偏ったところにマウスピースを当てている自分を発見してしまったからである。これを直さないことには、と思いたち、地区予選までの時間は犠牲にすることを覚悟し(地区予選は自分は100%の力は出さなくとも勝てる)、アンブシュア改革に挑戦した。

小学生だから無邪気に臨んだのだが、音は確実に出なくなった。一日1時間はやっていたロングトーンの練習のなかで、ひたすら吹きなれないポジションにMPを押し当て、そこで正確な音が出るまで頑張ることを30日続けた。地区予選はサードにまわしてもらい、高音域は諦めた。夏休みの終わりに九州大会が待っている。ここまでになんとか、新しいアンブシュアを確立しなければならない。はたして、11歳の僕のアンブシュアは30日で改善した。Montepruciano

YTR6320を持ってやっている僕のアンブシュアはあのとき、子供ながらに必死で体得したアンブシュアだ。ただし、アルヴァマー序曲とかコヴィントン広場とかをレパートリーとしていた時代のGまでの音を出せればよかったところに合わせたものだ。

ハイC、D、Eまでを出したい今の自分は、20年ぶりにアンブシュア改革に挑む。やり方はわかっていないわけではない。何をしたら音がでなくなるのか、ある程度はわかっている。ただし、子供のころのような柔軟さは、体からはなくなっている。大人の知恵によって、アンブシュアを変えること。それが課題だ。

マウスピースをいくつか買った。高音が出せるように、エリック宮城の2番を合わせてかってみた。出しづらい。しかも、音が細い。だけど高い音は出る。このトレードオフこそが道具の勝負。ここを基準にしながら、道具ではなく、テクニック改善に臨む。楽しすぎる。

思えば、ワインのビンテージに似ている。アンブシュアなんて。結局それを身につけたときの年代のままなんだ。ぼくの今のアンブシュアは、1986年の年代物だ。これはこれとして、2007年のものに変えようと思いながら、近所の懇意にしているワイン屋で買った2004のモンテプルチアーノを飲む。

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